認知症の徘徊対策で使用されているGPSシール。実はGPS端末というわけではなく、QRコードが印刷されたシールです。
QRコードが印刷されたシールをスマホなどで読み取ることで、家族や中継連絡先と連絡が取れるというものです。
認知症の徘徊対策として取り入れている自治体も出てきました。
今回はそんなGPSシール(QRコードシール)について、詳しくご紹介していきます!
この記事では
・認知症行方不明者の現状とGPSシールの効果
・よく利用されているGPSシールの種類&使い方
・アイロンラベルシールとの違いについて
などが分かります。
認知症の徘徊対策に取り入れられているGPSシール
高齢化社会を迎えた日本では、年間1万人もの認知症行方不明者がいるという報告があります。
そしてその内の90%の認知症のお年寄りは、保護されても連絡先が分からず、自宅に戻ることができずにいます。
最近では靴底にGPSをつけるタイプや、リストバンド型のGPSなども利用が広がってきました。
ただ、GPS端末はその時々の現在地がすばやく確認できる反面、バッテリーが切れた際に連絡が取れなくなってしまうというデメリットもあります。
QRコードを使ったGPSシールはバッテリー切れの心配がなく、身につけやすいこと、また費用負担も低いので、徘徊対策として取り入れやすいアイテムです。
GPSシールの仕組み
見守りシールは、財布、パスケース、杖、上着、靴、キーホルダーなどにQRコードが記載されたシールを貼り付けることで、迷子になった時に発見者がスマートフォンなどでコードを読み取り、家族などへの連絡が可能となるGPSのような仕組みを持つシールです。
GPSシールとして使われているものは、アプリのインストールや個人情報の入力をする必要はなく、オンライン登録サイトでID番号・家族のメールアドレスを事前登録するだけで使えるものが多いです。
松戸市をはじめ、見守りシールを取り入れている自治体も増えてきました。
松戸市のQRコードを使った見守りシールは、イギリスのBBC放送局が取材を行い、イギリスでもニュース報道があるなど世界的にも注目されています。
お年寄りの徘徊だけでなく子供の迷子、災害時の安否確認にも力を発揮しそうですよね。
見守りシールはバックや靴などになりつけるタイプ、キーホルダータイプの他、爪に直接貼り付けるシールも発売されています。
親の見守りに使いたいけど
どこで販売してるんだろう?
値段も知りたいな。
GPSシール(QRコードシール)で発売されているものをいくつかご紹介していきますね。
認知症GPSシール:QRコードシール
QRコードシールには幾つかのタイプあります。
・個人情報を知られずにシステム側から家族に連絡が届くタイプ
・あらかじめ登録しておいたメールアドレスに直接連絡が届くタイプ
などなど、いずれにしても発見者はスマホなどでQRコードを読み取り連絡を入れる形です。
「おかえりQR」
サービス名 | おかえりQR |
値段 | 1,980円 1シート12枚 |
有効期間 | ・登録日から1年間 ・自動更新無し ※1年過ぎるとQRコードは無効となります。 ※継続利用する場合は再購入する |
アプリのインストール | なし |
特徴 | ・メールアドレス3件まで登録可能 ・個人情報の登録不要 ・発見者に個人情報は表示されない ・発見場所や待機場所を地図で確認できる ・発見者が撮影した画像を送信できる機能あり |
おかえりQR|販売サイト |
「おかえりQR」は1980円と、安価で1年間利用できるGPSシールです。
発見メールの受信は3件までメールアドレスの登録ができ、それ以外の個人情報登録の必要がない為プライバシーも守られます。
発見場所や待機場所を地図で確認できること、また発見場所から近い交番への経路も表示されるので安心感があります。
発見者が撮影した画像を送信できる機能もあり、とても年間1980円とは思えない充実した仕組みだと思います。
1年経過するとQRコードが無効になり使えなくなるので、継続して利用したい場合は再度購入し、登録しなければならないのでそこがちょっと面倒。でもそれ以外は安価で充実したサービスです。
トコろんおかえりQR
サービス名 | トコろんおかえりQR |
値段 | 990円 1シート5枚 |
有効期間 | ・登録日から1年間 ・自動更新無し ※1年過ぎるとQRコードは無効となります。 ※継続利用する場合は再購入する |
アプリのインストール | なし |
特徴 | ・メールアドレス3件まで登録可能 ・個人情報の登録不要 ・発見者に個人情報は表示されない ・発見場所や待機場所を地図で確認できる ・発見者が撮影した画像を送信できる機能あり |
トコろんおかえりQR|販売サイト |
おかえりQRと機能は同じでシールが5枚のタイプです。
所沢市のイメージマスコットがデザインされていますが、全国どこでも利用できます。
5枚タイプで990円はかなりリーズナブル。
お試しで使ってみるのにも最適です。
爪Qシール
爪Qシールは、入間市内のベンチャー企業であるオレンジリンクスが開発した認知症患者の爪に貼るQRコードシールです。
利用方法は、徘徊が心配されるお年寄りの爪に貼り、万が一の時にはシールに記載されているQRコードをスマホなどで読み込むことで中継先(入間市の場合は入間市役所)に連絡が入るシステムです。
警察や消防からの問い合わせに応じて身元照会を行い、それ以外からの問い合わせには応じないルールを設け、プライバシーが守られる仕組みになっています。
爪Qシールは一度貼ると約2週間貼り変える必要がないので、月に2回ほど貼り変えればいい感じです。
体に直接貼り付けるタイプのGPSシールは自分ではがしてしまったり、本人が嫌がることもあるので、キーホルダータイプや靴につけるGPSなどと併用するといいかもしれません。
2022年5月には国際版のニューヨークタイムズ紙の取材を受けるなど、世界的にも注目されているアイテムです。
一般販売の情報は入っていないので価格などの詳細は不明です。入間市などのように、自治体で取り入れているケースがあります。
※「爪Qシール」は、アジア健康長寿イノベーション賞2022において、大賞を受賞しています。
認知症GPSシール:連絡先シール
衣類やバックなどに手書きで連絡先を記入して貼り付けるオーソドックスな連絡先シールも販売されています。
ノンアイロンタイプ、またアイロンで接着するタイプなどいくつかあります。
また名前と連絡先をプリントしたものを購入できるタイプなどもあります。
備考欄などにアレルギーやメッセージを記入することもできるので便利な反面、対象者のプライバシーや家族の連絡先が丸見えになってしまうので注意が必要。
保護された際、すぐに電話をかけてもらえるメリットはありますが、個人情報は筒抜けになってしまいます。
高齢者を狙った詐欺などの危険性もあるので、連絡先の個人情報を持たせるのはあまりお勧めしません。
認知症GPSシールまとめ
認知症の徘徊対策で使用されているGPSシール(QRコードが印刷されたシール)についてご紹介してきました。
いかがでしたか?
GPSシールはバッテリー切れの心配などはありませんが、現在地を常に知ることはできません。
発見者からの連絡がない限り居場所を知る由がないのが最大のデメリットです。
GPS端末とGPSシールを併せて活用することで、強力な徘徊対策になるのではと思います。
ただ、高齢の親が迷子になってしまった時、家族がすぐに迎えに行けないこともあるかと思います。
万が一の時にすぐに隊員が駆けつけてくれるセコムやアルソックの駆けつけサービスはとても心強いです。
資料請求は無料なので、情報を集めておくのもいいかもしれません。